(1)江戸時代にも天気予報があって、幕府の役人が、翌日の天気を予報していたそうだ。気象観測の技術など、ほとんど無かった時代のことだから、当然、正確な予報はできない。それなのに、予報が外れると、担当の役人は厳しく責任が追及された。
そこで、役人は責任を逃げれるために、毎日、「明日は雨が降る天気ではない」と言う予報を出していたそうだ。この予報は、「雨が降る」を「天気」に係る言葉だと考えれば、「明日は雨が降らない」と言う意味になる。ところが、「明日は雨が降る、天気ではない」と途中で文を区切れば、逆に「明日は雨が降る」と言う意味になる。句読点が無ければ、どてらにも読み取れる文なのである。したがって、翌日がどんな天気になっても、「雨が降る天気ではない」と予報しておけば、絶対に外れる心配は無いと言うわけである。
これなら、確かに責任を追及されずに済む。うまいことを考えたものだと思うが、これはたぶん作り話だろう。
現代では、もちろんこんないい加減な予報は考えられない。それでも以前は、天気予報といえば、足らないものの代表のように言われていたものだ。「天気予報を信じたばかりにひどい目に遭った」と言う苦情が気象庁に殺到することもあった。余り予報が外れるので、「江戸時代のほうが良かった」と思う予報官もいたことだろう。
しかし、最近、天気予報についての苦情はそれほど聞かれなくなった。気象観測の技術が発達して、予報が正確になったからである。レーダーで、雲の動きを正確に捉えることができるようになったし、地域の気象を自動的に観測する施設も、全国に整備された。
そして、それらが観測した情報を、コンピューターで分析して、即座に気象の変化を予報できるようになった。さらに、気象衛星によって、レーダーで捉えられない広い範囲の気象も把握できるようになり、天気予報の制度は、ますます高くなった。
自然が相手だから、100%的中させるわけには行かないが、江戸時代の役人には想像もできない進歩であることは、間違いない。
(2)アナウンサー:天気予報をお知らせいたします。今日の東京地方は、北西の風。晴れのち雨。午前9時から午後3時までの間に、1ミリ以上の雨が降る確率は、90%です。台風17号の影響で、夕方から夜にかけて、風雨が強くなる見込みです。ご注意ください。
奥さん:あら、たいへん。あなた、夕方から雨がひどくなるらしいから、傘を持っていって。
田中:え、雨が振るって。でも、こんなにいい天気だよ。雨なんか降りそうにないけどなあ。
奥さん:だって、今、テレビの天気予報で言ってたのよ。台風の影響で、強い雨が降るんですって。
田中:ふうん、そうか。最近の天気予報は当たるからな。じゃあ、傘を持っていくことにしよう。
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