「ロケーション」を短縮して言う言い方は当然、「ロケ」ですよね。でもなぜ「ロケー」と言ったり、「ロケーシ」と言ったりはしないのでしょうか?「ロケーシ」でもいいのですがなぜ皆さんは「ロケ」と言ってしまうのでしょうか?これは日本人の中に流れている音韻規則と関係しているのです。日本人は音を拍で捉えて、2拍の場合はなるべく「長短」のリズムで表そうとします。「ロケー」といわないのはこの音韻規則に反してしまうからです。最初の拍「ロ」が短く2つ目の拍「ケー」が長くなり、合わせて「短長」のリズムになってしまうからです。日本語のリズムはあくまでも「長短」のリズムに合わせる傾向があるからです(窪園 95)。
また日本語ではなるべく「2拍」か「4拍」の語を好む傾向にあります。ですから「ロケーシ」と3拍の短縮形を使うより「ロケ」という2拍の短縮形を好んで使うことになります。このようなリズムは英語ではシラブルを中心とした「強弱」のリズムを取ることになります。この「強弱」のリズムに外れるために統語的にはまったく文法的なのですが、音韻的にどうも英語のリズムと合わないために決して使われない表現があります。次の2つの文を比べてください。
(1) They are such kind boys that they can help anybody who need it.
They are so kind boys that they can help anybody who need it.
(1a) は文法的な文ですが、(1b)は非文もしくは非自然としてみなされてしまいます。統語的には(1b)はぜんぜん問題はないのですが、音韻的にkindとboysに強調がおかれて「強強」のリズムになってしまうから英語の自然なリズムとして受け入れられないからです。一方(1a)はsuchに「強勢」がおかれkindは「弱く」なりboysが「強勢」がおかれて「強弱」のリズムを維持しているからです。
日本語でも「女」は「にょ」と発音されます。この「女」に房「ぼう」がつくと「女房」「にょぼう」とは発音されず「にょうぼう」とか「にょうぼ」と発音されるのは「にょぼう」という「短長」のリズムを日本語の音韻規則が嫌うからです。「女」「にょ」を長くして「にょう」に変え、なるべく2つ目の拍を短くしようとする日本語音韻規則が働いて「にょうぼ」のようなリズムに強制的に変更しているからです。日本語では「長短」のリズムを好み「短長」のリズムを排除しようとする傾向があるのです。
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