(1)昔、中国からの使節が日本に来て、瀬戸内海を船で渡っているとき、こう言ったそうだ。「日本にもずいぶん広い川がありますね。これは何という川ですか」黄河や揚子江など、広大な川を見慣れた中国の人が、瀬戸内海を川田と思ったのも無理は無いだろう。しかし、この言葉を聴いて、その場にいた日本人は、驚いたに違いない。それほど中国の川は広大なのか、また、中国の自然と比べて、日本の自然はそれほど小さいものなのか、と思ったことだろう。中国人だけではない。アルアメリカ人は日本の川を見て、「これは川ではない。滝だ」と言ったそうだ。日本の川は幅が狭く、流れの急なところが多いので、そんな感想を抱いたらしい。確かに、中国やアメリカに比べると、日本の山や川は小さい。だから、中国人やアメリカ人の目には、日本の自然が、まるで箱庭のように見えるのかもしれない。箱庭と言えば、日本には盆栽と言う園芸があり、多くの愛好家がいる。これは、松や梅などを鉢に植え、小さく形を整えて鑑賞するものだ。盆栽は、もともと中国から伝わったが、日本で独特の発達を遂げたと言われている。ただでさえ小さい自然を、さらに小さくするのだから、日本人は、よほど小さいものに対する愛着が強い民族なのだろう。同じ傾向は、産業や技術においても見ることができる。日本の工業製品で評価されているものと言えば,なんと言っても,カメラや時計などの小型精密機械だ。また、最近は、コンピュータに使う超小型の集積回路を開発する分野で、日本の技術は目覚しい進歩を遂げている。つまり、小型で精密な製品を作ることにかけて、日本人は、特に才能を発揮してきたわけである。盆栽から先端技術にいたるまで、日本人の「小さいものへの愛着」が感じられるのである。
(2)スミス:張さん、何を読んでるんですか。
張:「小さいものへの愛着」って言う記事なんです。面白いですよ。
スミス:へえ。僕にもちょっと読ませてくれませんか。ははは。アメリカ人は、日本の川は川じゃなくて、滝だと言ったんですか。
張:そうらしいですね。つまり、日本人は、それほど小さい自然の中で暮らしていると言うんですね。そのせいで、小さいものへの愛着が強く、それが、産業や技術にも現れていると言うんです。スミスさんはどう思います。
スミス:日本人が何でも小さいものが好きなわけではないでしょう。確かに日本人は、小さいものを作ったり、大きいものを小さくしたりするのが、得意ですね。
張:そうですね。ちょっと逆説のようになるかもしれませんが,小さいものを作って、大きい経済力をつけたというのは、面白い見方じゃありませんか。
スミス:なるほど。それは面白い見方ですね。
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