礼貌语的变迁:“です”和“ます”
对于初学日语的人来说,首先接触到基本句型便是“です”和“ます”了。“です”和“ます”是日语的礼貌语,属于敬语的一种,一般用于表示对听话人的敬意。而这两个大家耳熟能详的用语,到底又经过了怎样的历史变迁。
「ですます」調といわれるように、「です」と「ます」は、今日の日本語において、丁寧語の代表格とされるものである。文章語に始めて「ですます」を採用したのは、言文一致運動の先駆者山田美妙で、明治19年の小説作品「嘲戒小説天狗」においてであった。だが、「ですます」調はなかなか文章語の主流にならず、「である」体や「だ」体に押されてきた。近年はその表現の自然さが再評価され、文章語の中でも盛んに用いられるようになった。
在今天的日语中,“です”和“ます”被视为礼貌用语的代表形式,甚至被称作“ですます”体。而“ですます”被采用为书面语还是在明治19年的小说《嘲戒小说天狗》中,作者是言文一致运动的先驱者山田美妙。不过,在当时的书面语中,“ですます”体始终未成主流,压倒性的大多数还是“である”体和“だ”体。近年来,“ですます”在表达上的自然性得到重新评价,开始频频现身书面语中。
「ですます」が受けるのは、それが日常の話し言葉により近いからであろう。そこで、日本人がいつの時代から、これらの言葉を話してきたか、これは興味深いテーマである。現在NHKテレビで放映中のドラマ「功名が辻」の中で、山内一豊の妻千代が、「ありまする」とか「ござります」といった言葉を発しているが、「ます」については、足利時代から徳川時代への移行期に、民衆の間で広く使われるようになったのだろう。
“ですます”的使用并不是距今很远的事,时间上应该比日常口语还要近一些吧。那么,日本人说“ですます”是从哪一个时代开始的呢?这是个有趣的问题。NHK大河剧《功名十字路》中,山内一丰的妻子千代说的是“ありまする”和“ござります”,大概,“ます”在民间广泛使用的时代应是足利时代到德川时代之间的过渡时期吧。
「ます」は「申す」が転じた形であると考えられる。「申す」はもと「ものをいう」という意味の動詞であったが、中世期においては、「ありまうす」、「なしまうす」のように、ほかの動詞と結合して、助動詞的な使われ方をするようになった。これが次第に「ます」へと音韻変化したのだと考えられるが、この過程の中で、「ござります」という表現が重要な役割を果たしたと思われる。
“ます”一般认为是“申す”转化后的形式。“申す”原本是表示“说话”之意的动词,到了中世时期,它与其它动词相结合,逐渐形成了助动词的用法,比如“ありまうす”、“なしまうす”,再到后来,它在发音上又渐渐演变成“ます”。在这个过程中,“ござります”这个表达发挥了重要的作用。
「ござる」あるいはその変形の「おじゃる」は、「ここにある」あるいは「おでましになる」といったニュアンスの言葉であるが、これがほぼ、それ以前の時代の「あり」に代替する言葉として用いられるようになり、さらに、「ござりまする」のように「ます」と結びつくことになった。この「ござります」が一種の引き金になって、「ます」表現が広範に広がったのではないか。
在“ござる”及其变化形式“おじゃる”两词中,含有“在这里”或“莅临到场”的语感。大致上说,它们替代了以前的“あり”,逐渐得到广泛使用,后来又进一步和“ます”结合,形成了“ござりまする”。很有可能,“ござります”就成为一个契机,使得“ます”这种表达也随之得到普及。
「です」は、「ます」より遅れて使われるようになったと考えられる。この言葉の起源について、作家の司馬遼太郎は、「であります」が「であんす」となり、さらに転じて「です」になったのだろうと書いている。「であんす」は郭言葉の一種だから、「です」は郭起源の言葉だということらしい。
“です”的使用应该还比“ます”稍迟一些。关于这个词的起源,作家司马辽太郎认为是先从“であります”转化成“であんす”,又进一步演化成“です”。“であんす”是娼馆语的一种,照这样看来,“です”的起源或许来自娼馆用语。
筆者は、「です」は「にてそーろー」が転じた形だと考えている。「そーろー」という言葉は、古代の「あり」に相当する言葉として、中世を通じて広く長く使われた。この「そーろー」が「そろ」になったり、「そ」になったりしたことは、狂言などにも伺われる。これがやがて、「でそ」から「です」へと言う具合に、転じたのではないか。
笔者的看法是,“です”是“にてそーろー”转化而来的形式。“そーろー”这个词相当于古代的“あり”,长期广泛地使用于整个中世时代。后来“そーろー”变成了“そろ”,进而简化成了“そ”,这个表达在狂言中也是能看见的。这样到了最后,“でそ”演化成了“です”。
こんな出自からして、「です」の活用もまた、普通の助動詞とは異なっている。「そーろー」自体は4段活用であるが、それが「です」のなかで「す」に縮まってしまった結果だろう。
因为有这样的起源,“です”的活用也不同于一般的助动词。或许,这是由于本身为四段活用的“そーろー”简化成“です”中的“す”的结果吧。
(余談)今日、電話口で「もしもし」と呼びかけるのは、「申す」に起源している。中世には、人に呼びかける際、「申す」、「申そー」という言葉を発した。これが時に「もし」となり(仮定の「もし」ではない)、今日の「もしもし」につながった。
(余话)今天,人们在电话里招呼对方时,常说“もしもし”,这其实起源于“申す”。中世时代,人们招呼谁时常会说“申す”、“申そー”,有时会讹音为“もし”(并非表假定意义的“もし”),这样就形成了今天的“もしもし”。
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