1 序論
1.1 はじめに
中日ビジネス交流がますます増えている。日系会社は大学の日本語専攻生に言語知識だけでなく、ビジネス知識と個人能力も求めている。日本語専攻生が日本語文法、日本文学の知識だけではなく、経済知識とビジネスマナーなどを備える必要もある、それはビジネス日本語教育に新たな挑戦を与えている。
ビジネス日本語は総合的な学科で、言語課程とビジネス会話、ビジネス文書、ビジネスマナーなどの課程を含めるが、卖なる貿易日本語とは限らないし、その範囲と内容も決められていない。そのうえ、ビジネス日本語学科を開設する大学は沢山あるが、大多数は直接に職業技術学院と日本語専修学院のやり方を真似したり、数尐ないビジネスマナーなどの課程を開設したりして、科学性と全体性に凄く乏しい。大学生に似合うビジネス日本語教育がほとんどないと言っても過言ではない。大学、特に伝統的な日本語教育に優れている総合的な大学はその問題を意識していても、優れている日本語教育方向をやめたくないし、日本語能力とビジネス能力を兼備する教師も尐ないので、実用性に乏しいという問題に困りながら、なす術を知らない。湖单大学をはじめとして、湖单省における日本語学科を開設している大学の大多数はそういう問題を抱えているそうである。
したがって、日本語学科のビジネス日本語教育の現状を調べることはビジネス日本語教育の目的と要求などへの再認識と教育のレベルを高めることが望まれている。現状の問題点を分析することで、社会からのビジネス日本語教育への新しい要求と学生達のニーズに合わせて、適応対策を考え出すことも望まれている。
1.2 先行研究
ビジネス日本語教育の概念と内容について、周林娟?潘幼芳が「中日ビジネス日本語人材の求めとビジネス日本語教育の改革」(2009)で、「ビジネス日本語教育が始まったばかりで、関連する理論的な研究は尐ない。ビジネス日本語関連者や研究者もビジネス日本語の概念と内容に対して、各自の意見を持っているようで、権威のある定説はない。」と指摘している。王麗芳は「ビジネス日本語教育方法を探す」(2010)で「ビジネス日本語について権威ある定説はないが、日本語の言語学と経済?貿易などの学科をまとめ、総合的な課程であると学術界に公認されている。海外技術者研修協会の「日本ビジネス?ビジネス日本語研修事例集」(2010)が「ビジネス日本語には、かなり現実的、実際的な就職支援に関するものから、日本社会?文化などへの理解、さらにその適応に関するものまで、幅広い内容が含まれている。ビジネス日本語という名称では不自然さを感じるほどである。今後、この用語の見直しが必要かもしれない。」と指摘している。
関連論文として、周福宗?王忻の「ビジネス日本語学科の建設に関する考え」(2002)が挙げられるが、これはビジネス日本語学科を設置する必要性に重点を置き、建設方法を主に検討している。「ビジネス日本語人材を培う目標を明確して、現代科学技術を利用し、企業との連携などを通して学生に多く実践するチャンスを提供する教育方法」を進めている。
「実践的」な研究として、事例研究といえる宋金梅?鄧燁樺の「ビジネス日本語課程の設置について」があげられる。広西大学外国語学院の教育現状を分析して、ビジネス日本語教育を改善する方法を研究している。
それから、ミクロ的な視野で、周軍?陶吉原?ZHOU Ji-yuanの「わが国の高校日本語卒業生は日系会社での就職現状の調査」(2010)があげられる。それは卒業生の面から日本語教育の効果と内容を再思考をしている。
日本でのビジネス日本語教育、特に留学生に対するビジネス日本語教育から中国大学のビジネス日本語教育に大切な経験を学ぶことができると思う。論文として、池田伸子の「ビジネス日本語教育における教育目標の設定について:
文化、習慣についての重要性を考える」『ICU日本語教育研究センター紀要5』(1996)、高見澤孟の「日本語の教え方?実践マニュアルビジネス日本語の教え方」株式会社アルク(1994)、野元先寿子の「留学生に対するビジネス日本語教育―APUにおける教育実践とアンケート実施よりー」『昭和女子大学大学院日本文学紀要第15集』(2003)があげられる。
中国におけるビジネス日本語教育は多くに職業技術学院と専修学院に行われ、職業技術学院と専修学院は卖一的な仕事のできる学生を培うという目標を持っているが、総合的な大学は総合的な素質を持っている学生を培う。同時に、全国統一の入学試験の成績のみで決める制度で、全体として大学生の素質は職業技術学院と専修学院の学生のより高いと思われる。大学ビジネス日本語教育は社会と大学生のニーズの違い差を意識して、高い素質を持っている、ビジネス日本語できる複合的な大学生を培わなければならない。したがって、大学のビジネス日本語教育の現状と対策を研究する意義がかなりあると思う。
1.3 小論の目的と方法
小論は研究方法として、「実践的に」湖单省の「211工程」高校湖单大学?湖单師範大学?中单大学 の日本語学科の事例研究(現状分析)をしたい。湖单大?師範大?中单大の「ビジネス日本語」の現状の元で、中国におけるビジネス日本語の先行研究の知見と日本におけるビジネス日本語教育の経験を学んで、「理論的に」ビジネス日本語教育は各方面への要求を了解したい。たとえば、学生のニーズに合うビジネス日本語教育はどのようなものであるか、シラバス ?カリキュラム の作り及び授業をどうすれば良いのか、どんな教材が必要であるかなどの問題を究明したい。湖单省の「211工程」大学におけるビジネス日本語教育の問題への対策などについて検討して、科学的、適用性のあるビジネス日本語教育の対策を探したいと思う。
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